化粧品には必ず防腐剤が入っています。防腐剤が入っていないとすぐに雑菌が繁殖して、お肌のトラブルにつながるからです。防腐剤を入れているおかげで未開封であれば3年間は品質が保たれるようになっていますね。ただ、防腐剤もいろいろあるので、できるだけ安全性が高いものを使用している化粧品がいいというのは誰もが思うことです。
防腐剤の中でもパラベンは悪いものというイメージが定着しています。パラベンフリーと記載すればイメージが良くなるので、そのような記載もよく見られますね。ただ、化粧品に防腐剤を入れないわけにはいかないので、化粧品メーカーではパラベンの替りにフェノキシエタノールやBG、あるいは植物由来の成分を使用しています。ただし、これらの防腐剤はパラベンよりも抗菌性が弱いので、量を多めに配合する必要があるのです。
一口にパラベンと言ってもたくさんの種類があります。その中でもよく使用されるのはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンそれからブチルパラベン、イソプロピルパラベンです。この中で最も毒性が低く刺激が少ないのはメチルパラベンです。ただ、化粧品でパラベンと表示されている場合は複数の種類を組み合わせて配合している場合が多く、そのほうがお肌には優しいようです。
たとえば、メチルパラベンはお肌に刺激が少ない分防腐剤としての効果は劣ります。ですからメチルパラベン1種類だと配合濃度を高くしないといけません。そこで他のいくつかのパラベンを組み合わせると、低い濃度で十分防腐剤の役目を果たせるようになります。また、化粧品に配合していいパラベンの濃度は1%までですが、実際に配合されているのは0.1~0.5%程度です。パラベンに対してアレルギー反応が出る方は避けた方がいいですが、そうでなければそんなに神経質になる必要はないかなと思います。
また、ローズマリーエキスやユーカリエキスなど植物由来の成分を防腐剤にしている化粧品もあります。それでも植物からエキスを抽出するのに多くの場合BGを使います。また、特定の植物に対してアレルギーがある人の場合はお肌にトラブルが起きますから、植物由来だからといって安全とも限りません。私はパラベンがいいといっているわけではありませんが、パラベンフリー、植物由来=安全というふうに安易に考えない方がいいのではと感じています。保湿成分など他の要素も総合的に考えたうえで、自分に合った化粧品を使いたいなと思っています。